家庭医学館 「牛海綿状脳症(BSE)」の解説
うしかいめんじょうのうしょう【牛海綿状脳症(BSE)】
牛海綿状脳症はこの数年、イギリスを中心に大きな社会問題となっている牛の病気で、スクレイピーという病気に感染した羊の内臓や骨粉(こっぷん)に含まれるプリオンと呼ばれる物質が混入した濃厚飼料を牛に与えたことが原因とされています。
羊のスクレイピーは、18世紀から見つかっていますが、初めて牛海綿状脳症が発生したのは1985年で、ピークは92年です。94年までに約20万頭が処分されました。
牛海綿状脳症はイギリス本土が中心で、スイス、ポルトガル、フランス、ドイツなどにも少数発生しました。イギリスから牛を輸入した場合だけでなく、飼料を輸入したことも原因とされています。
1988年に、牛海綿状脳症の牛の肉や内臓を飼料にすることが禁止され、93年以降は急速に欧州での発生率は減少しました。しかし、2000年に再発生、2001年には、日本での発生も確認されています。