犬墓村(読み)いぬのはかむら

日本歴史地名大系 「犬墓村」の解説

犬墓村
いぬのはかむら

[現在地名]市場町犬墓

日開谷ひがいだに村の西に位置し、東を吉野川支流の日開谷川が南流する。讃岐国に通じる南北路が通る。地内に松永久秀が城番を置いたとする松永まつなが城があり、天正五年(一五七七)に落城したと伝える(城跡記)。犬墓塁ともいうが(阿波志)、城跡遺構とされる要害堅固の地(標高一〇五メートル)の近くに松永家の祖を祀るという「おたまや」があり、三基の宝篋印塔と古型の五輪塔がある。また地内の松尾家では唐の開元通宝が一枚、北宋の至道元宝・天聖元宝・熙寧元宝など一三種二二枚、明の洪武通宝一枚といった古銭を所蔵する。慶長二年(一五九七)の分限帳に「犬ノ墓」とあり、高一〇八石余が山崎六郎右衛門の知行分。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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