狩猟信仰(読み)しゅりょうしんこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩猟信仰」の意味・わかりやすい解説

狩猟信仰
しゅりょうしんこう

狩猟民信仰で,特に山の神への信仰が強い。狩りの際に獲物を捕えると,その耳や内臓を必ず山の神に供える。狩猟民の山の神は,農民の山の神と違って,里へ下り田畑を守護するという機能はもたない。山の神は山間にあって,特殊な力をもつ猟師と交渉したという話が,山の神の縁起類で語られている。『山立根元記』によると,このような山の神には,(1) 日光信仰と関係し,萬三郎,小野猿丸によって祀られる山の神,(2) 高野山信仰と関係し,猿丸太夫に祀られる山の神,(3) 大摩,小摩という猟師に祀られる山の神の3通りがある。また長野県の諏訪大社は古くから狩猟の守護神であった。猟師はしばしば呪文を称えて野獣を成仏させることがあり,その呪文は修験道によるところが多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android