狭井神社(読み)さいじんじや

日本歴史地名大系 「狭井神社」の解説

狭井神社
さいじんじや

[現在地名]桜井市大字三輪

大神おおみわ神社の北に鎮座。「延喜式」神名帳の城上しきじよう郡「狭井坐大神荒魂神社五座鍬靫」で、大神荒魂おおみわのあらみたま神を主神として大物主おおものぬし神・姫踏五十鈴姫ひめたたらいすずひめ命・勢夜多多良姫せやたたらひめ事代主ことしろぬし神を祀る。「華鎮けちん社」とも「しずめの宮」ともいう。「延喜式」四時祭に三月祭の鎮花祭として大神社・狭井社がみえ、「令集解」に「謂、大神狭井二祭也、在春花飛散之時、疫神分散而行癘、為其鎮遏、始有此祭、故曰鎮花、釈云、大神狭井二処祭、大神者、祝部請受神祇官幣帛祭之、狭井者、大神之麁御霊也、此祭者、花散之時、神共散而行疫已、為止此疫祭之也」とあるように、狭井神(大神荒魂神)と大神神は鎮疫神であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の狭井神社の言及

【鎮花祭】より

…疫病が流行しないようにと疫癘(えきれい)を鎮めるまつり。神祇令の鎮花祭は注釈〈義解〉によると,毎年旧暦3月(季春)に奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社と,同神社の摂社である狭井(さい)神社(狭井坐大神荒魂神社)の二つのまつりで,それは春の花が飛び散るときに,疫神が分散して病気を流行させるので,これを鎮めるために行われるものとある。このまつりの起源は,崇神天皇が大田田根子(おおたたねこ)に三輪の神をまつらせたのがはじまりとされ,その後,平安時代にも盛んに行われた。…

※「狭井神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android