デジタル大辞泉 「猩猩」の意味・読み・例文・類語
しょう‐じょう〔シヤウジヤウ〕【×猩×猩】
2 想像上の動物。オランウータンに似るが、顔と足は人に似て髪は赤く長く垂れ、よく酒を飲むという。
3 酒の好きな人。大酒飲み。
4 能面の一。童子の顔を赤く彩色した面。「猩猩」などに用いる。
5 歌舞伎の
[補説]曲名別項。→猩猩
[類語]類人猿・ゴリラ・チンパンジー・オランウータン
現在では一般に南方に生息するオランウータンを指すが,中国の古典等に現れる猩猩は想像的要素が強く,姿の形容もさまざまである。一般には猿に似ているとされ,長髪で人の顔,人の足をし,その声は小児の泣くようであり,群れを作ってはって歩くという。一説に,狗(いぬ)や豕(ぶた)に似ているともいう。《礼記(らいき)》曲礼上に〈猩猩能(よ)く言う〉とあるが,ただ人の言葉がわかるにすぎないともされる。猩猩は酒と屐(げた)が大好きであった。それで猩猩を捕らえるときには,その二物を置いて誘う。猩猩はわなとさとって一度は逃げるが,やがてもどり酒に酔い,足には屐をはいているので,結局,捕らえられたという(《唐国史補》巻下)。また六朝時代には,すでに猩猩の血は毛織物を真紅に染めることができ,しかも長く変色しないとされた。真紅の色を意味する猩血,猩紅等の言葉が生まれた理由である。ちなみに,猩猩の唇は昔,美味な肉の一つとされた。
→オランウータン
執筆者:植木 久行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…ショウジョウ(猩々)とも呼ばれる。アフリカのゴリラ,チンパンジー,ピグミーチンパンジーに対して,オランウータンはアジアの唯一の大型類人猿である(イラスト)。霊長目ショウジョウ科。インドネシアのボルネオ島とスマトラ島のそれぞれに生息する2亜種が区別されているが,亜種間の違いはそれほど顕著なものではない。オランウータンというのは〈森の人〉を意味するマレー語で,彼らの生息地はこの2島の熱帯降雨林に限られている。…
※「猩猩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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