猿ヶ馬場峠(読み)さるがばんばとうげ

日本歴史地名大系 「猿ヶ馬場峠」の解説

猿ヶ馬場峠
さるがばんばとうげ

現在の更埴市東筑摩ひがしちくま郡の境の峠で景勝の地である。標高九六四メートル。筑摩麻績おみ宿(現東筑摩郡麻績村)からひじり山と冠着かむりき山の鞍部を通って更級さらしな郡の稲荷山いなりやまの宿へ通じる北国西脇往還(善光寺道)の峠である。峠には峠の茶屋、猿ヶ馬場池(現在聖湖)などがある。古代、筑摩つかま郡・更級郡境の峠は冠着山の西麓鞍部を通っており、これを古峠ことうげという。延喜の官道の麻績駅・曰理わたり駅はこの古峠を使ったものらしく、冠着山の北側に古い道形が残っている。その後鎌倉時代以後は古峠から西の一本松いつぽんまつ峠を使用し、更に江戸時代の初め猿ヶ馬場を正式な道として使用し、他は間道的性格の道となった。古峠・一本松峠・猿ヶ馬場峠を総称してひじり峠という場合もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「猿ヶ馬場峠」の意味・わかりやすい解説

猿ヶ馬場峠
さるがばばとうげ

長野県中北部、千曲市(ちくまし)と麻績村(おみむら)の境界にある国道403号の峠。標高966メートル。地元では「さるがばんば」という。近世には松本盆地長野盆地を結ぶ北国(ほっこく)西街道(善光寺街道)の重要な峠であった。1902年(明治35)現JR篠ノ井(しののい)線の開通でさびれたが、付近には聖湖(ひじりこ)(猿ヶ馬場池)があり、一帯聖高原としてスキー場やキャンプ場、別荘地などに開発されている。

[小林寛義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「猿ヶ馬場峠」の意味・わかりやすい解説

猿ヶ馬場峠
さるがばんばとうげ

長野県北部,筑摩山地中の冠着 (かむりき) 山と聖山の鞍部にある峠。標高 964m。近世には北国西街道 (善光寺街道) が通過した。 1941年自動車道が開通。眺望がよく,聖山高原県立自然公園の中心部をなし,付近には人造湖,スキー場,別荘地などがある。

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