猿投山西南麓古窯跡群(猿投窯)(読み)さなげやませいなんろくこようせきぐん

日本歴史地名大系 の解説

猿投山西南麓古窯跡群(猿投窯)
さなげやませいなんろくこようせきぐん

猿投山(六二九メートル)の西南方面に広がる丘陵地帯に群在する古窯跡群。尾張・三河境を挟んで半径八キロにも及び、須恵器灰釉陶器緑釉陶器を生産した古窯が五〇〇基近くも存在し、大阪府下の泉北せんぼく丘陵一帯(堺市・和泉市・岸和田市・南河内郡狭山町)に営まれた陶邑すえむら窯と並ぶわが国最大の古代陶器生産地である。

猿投窯は、古窯跡の分布密度や地理的条件によって七地区に分けられている。東山ひがしやま地区は、天白てんぱく川とその支流である植田うえだ(高針川)以西の名古屋市名東めいとう区・天白区の一部域と、千種ちくさ区・昭和区の全域におよぶ。岩崎いわさき地区は、天白川・植田川、および矢田やだ川の支流である香流かなれ川によって囲まれた名東区・天白区・日進につしん町・長久手ながくて町の一部域。鳴海なるみ地区は、天白川・境川・国道一五三号および県道名和―大府線によって囲まれた緑区・豊明市の全域と、天白区・大府市・東海市・日進町・東郷とうごう町の一部域。黒笹くろざさ地区は、境川とその支流であるまえ川、愛知池、逢妻女あいづまめ川、および矢作川の支流であるかご川・加納かのう川によって囲まれた西加茂郡三好みよし町全域と、豊田市・東郷町の一部域。折戸おりど地区は、天白川、境川とその支流である前川・愛知池および国道一五三号によって囲まれた日進町・東郷町の一部域。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android