デジタル大辞泉 「猿猴」の意味・読み・例文・類語 えん‐こう〔ヱン‐〕【猿×猴】 1 猿類の総称。古くは多く手長猿をいった。2 河童かっぱの別名。3 人形浄瑠璃で、手のこと。4 月経のこと。「―へ手を出し亭主ひっかかれ」〈柳多留・七七〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「猿猴」の意味・読み・例文・類語 えん‐こうヱン‥【猿猴】 〘 名詞 〙① サル類の総称。古くは手長猿(てながざる)のこと。えんこうざる。えんこざる。えんこ。[初出の実例]「猿猴の人にわらはれ、俘囚(えぞ)が童子に蔑如せらるるがごとし」(出典:日蓮遺文‐撰時抄(1275))[その他の文献]〔説苑‐説叢〕② 河童(かっぱ)の異称。えんこ。〔物類称呼(1775)〕③ 手のことをいう、人形浄瑠璃社会の隠語。〔咄本・東都真衛(1804)〕④ 月経の異称。[初出の実例]「ゑんこうへ手を出し亭主ひっかかれ」(出典:雑俳・柳多留‐七七(1823))⑤ ( ━する ) 盗みをすること。盗癖のあること。[初出の実例]「猿猴(ヱンコウ)する 手長きなり。偸(こぬすみ)の異名なり又は女中に手をさすをいふ」(出典:譬喩尽(1786)八) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例