猿田彦神(読み)さるだひこのかみ

精選版 日本国語大辞典 「猿田彦神」の意味・読み・例文・類語

さるだひこ‐の‐かみ【猿田彦神】

(「さるたひこのかみ」「さるたびこのかみ」とも)
[1] 記紀などに見える神。国つ神の一つとされ、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が日向国(宮崎県)高千穂の峰にくだったときに、その道案内をつとめ、のち、伊勢国(三重県)五十鈴川のほとりに鎮座したといわれる。鼻がひじょうに高く、身長はきわめて高く、恐ろしい顔つきをしていたという。古くは、衢(ちまた)の神とされていたが、中世、障(さえ)の神と混同されて道祖神となり、一方、仏教の影響を受けて、「猿」と「申(さる)」との混同から、庚申(こうしん)の日にこの神をまつるようになった。猿田彦
[2] 〘名〙
① 神社の祭礼の時、行列の先導をする者。鼻の高くつき出た天狗(てんぐ)の面をかぶり、矛(ほこ)を持つ。天孫降臨の時の故事からおこったもの。猿田彦。
② 傀儡子(くぐつ)遊女などが福の神としてうやまう、民間信仰の神。戯技を演じる神として、接客業者などに尊ばれている。赤ら顔で、鼻がひじょうに高い神。

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デジタル大辞泉 「猿田彦神」の意味・読み・例文・類語

さるだひこ‐の‐かみ【猿田彦神】

《「さるたひこのかみ」とも》日本神話の神。瓊瓊杵尊ににぎのみことの降臨に際し道案内をした怪異容貌の神。のち、伊勢国五十鈴川のほとりに鎮座したという。日本書紀ではちまたの神とされ、中世には、庚申信仰や道祖神と結びついた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「猿田彦神」の解説

猿田彦神 さるたひこのかみ

記・紀にみえる神。
「日本書紀」によれば,瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の降臨のとき天の八衢(やちまた)にいて,尊を先導した。のち天鈿女命(あめのうずめのみこと)におくられて伊勢(いせ)(三重県)狭長田(さなだ)の五十鈴川の川上におもむく。後世,庚申(こうしん)信仰や道祖神信仰とむすびつけられたりした。猨田彦(大)神とも。「古事記」では猨田毘古神。

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