率稲

山川 日本史小辞典 改訂新版 「率稲」の解説

率稲
りっとう

本稲を貸し付けずに,貸し付けた場合の利稲に相当する分の稲だけを徴収するという変則的な出挙(すいこ)の方式(利稲率徴(りつちょう)),またはその方式で徴収する稲。最初から本稲を用意しない点で,弘仁年間を初見とし9世紀後半にはすでに恒常化していた返挙(へんこ)を,より積極的に展開したものといえる。加挙(かこ)稲の設定の際に行われはじめ,10~11世紀に田積にもとづいて賦課されて一般化し,出挙が本来意義を失って地税化するのを促した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android