玉振(読み)ぎょくしん

精選版 日本国語大辞典 「玉振」の意味・読み・例文・類語

ぎょく‐しん【玉振】

〘名〙
① たまを振るように美しい音を出すこと。転じて、美しい詩文の形容にも用いられる。
※玩鴎先生詠物百首(1783)倒掖戯「玲瓏恰比水晶清、奇韻殊憐玉振声」 〔白居易‐洛浜修禊詩序〕
② (昔、中国で音楽を奏するとき、初め鐘をならし、終わりに玉石で作った磬(けい)を打って楽を終えたところから) 音楽が最後に盛り上がって終わること。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「余音裊々として、縷の如く絶へんとし、乍ち一転して玉振す」
③ (②から) 知徳を兼ね備え大成するたとえ。金声玉振。〔晉書‐衛玠伝〕

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普及版 字通 「玉振」の読み・字形・画数・意味

【玉振】ぎよくしん

合奏鐘声ではじめ、玉磬で収める。〔孟子、万章下〕集大なるは、金聲にして之れを玉振するなり。金聲なるは、條理を始むるなり。之れを玉振すとは、條理をふるなり。

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