精選版 日本国語大辞典 「玦状耳飾」の意味・読み・例文・類語
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[日本の装身具]
日本列島においても,多くの研究者が旧石器時代に相当するとみる先土器時代に属する墓から,石製の小玉(こだま)の出土が報告されており,縄文時代になると,耳飾,首飾,腕輪,腰飾,さらに実用品でもある櫛や簪(かんざし)などの髪飾がある。これら装身具をつける習俗は男女いずれにも認められるが,二枚貝腕輪や石製の玦状(けつじよう)耳飾(扁平な環状で下部に切れ目がある),あるいは骨製や土製の耳飾は女性着装例が圧倒的に多く,これらに対して,鹿角製腰飾は男性例が多いというように,男女による装身具の種類の差異が認められている。また,土製の耳飾は,多量に1ヵ所の遺跡から出土する事例もあって,女性用装身具として広く普及していたとみられるが,それ以外の装身具を着装したものは通常全被葬者のうちの10%以下ときわめて限定されている。…
…これら石製品の用途は長く不明であったが,大阪府国府(こう)遺跡で人骨の耳の部分から出土して耳飾と判明した。耳朶に孔をあけ,切れ目から挿入したもので,中国古代の装身具,玦(けつ)に近い形から玦状耳飾と呼ぶ。蛇紋岩,滑石,硬玉,まれに骨角などでつくられ,晩期まで用いられる。…
※「玦状耳飾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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