班田農民

山川 日本史小辞典 改訂新版 「班田農民」の解説

班田農民
はんでんのうみん

律令制下の一般農民をさす,昭和期に創出された学術用語。班田収授の対象となって,口分田(くぶんでん)を班給されたことによる呼称。農民は一般に竪穴住居に住み,4~5軒で郷戸(ごうこ)を形成し口分田・乗田・墾田などでの農業生産にあたった。日常的には房戸(ぼうこ)程度の単位での生活が可能だったが,田植や収穫時には郷戸をこえる規模の労働力を必要とした。調庸のほかに,雑徭(ぞうよう)・仕丁(しちょう)・兵士・出挙(すいこ)・義倉・運脚などの負担が大きく,生活はきびしかったが,8世紀後半から資力を蓄える者が現れ始め,富豪・田刀(たと)(田堵)とよばれるような有力農民に分化していった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android