日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑞泉寺(愛知県)」の意味・わかりやすい解説
瑞泉寺(愛知県)
ずいせんじ
愛知県犬山市大字犬山字瑞泉寺にある臨済(りんざい)宗妙心寺派の寺。山号は青龍山(せいりゅうざん)。本尊は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。寺伝によると、応永(おうえい)年間(1394~1428)日峰宗舜(にっぽうそうしゅん)が内田左衛門次郎の懇請により、師の無因宗因を開山に勧請(かんじょう)して創建したという。宗舜は以来10年の歳月をかけて大伽藍(がらん)を完成、多くの塔頭(たっちゅう)・子院を擁した。現在は本堂のほか、犬山城の大手門を移したという総門、客殿、左甚五郎(じんごろう)の作と伝えられる三匹猿の彫刻をもつ鐘楼がある。寺宝には狩野探幽(かのうたんゆう)筆の維摩(ゆいま)図、兆殿司(ちょうでんす)筆の文殊(もんじゅ)・普賢(ふげん)菩薩図などがある。
[菅沼 晃]