朝日日本歴史人物事典 「瓜生震」の解説
瓜生震
生年:嘉永6.6.11(1853.7.16)
明治大正期の実業家。三菱財閥の経営者。越前国(福井県)の多部五郎左衛門の3男で分家して瓜生を名乗る。長崎へ留学,坂本竜馬の海援隊を助ける。維新後,岩倉遣外使節団に随行して3年間外国に留まり帰国。鉄道寮を経て後藤象二郎の高島炭坑売炭課長,明治14(1881)年4月1日同坑の三菱譲渡後は引き続き高島炭坑長崎事務所支配人,三菱合資本社副支配人,営業部長。41年大日本製糖の整理強化に当たる。高島炭坑時代の克明な『事務日誌』執筆にみられるように語学を生かした渉外で「三菱における唯一の事務家」といわれた。<参考文献>『財界物故傑物伝』上,『高島炭礦史』
(小林正彬)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報