甚目寺(愛知県の寺)(読み)じもくじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「甚目寺(愛知県の寺)」の意味・わかりやすい解説

甚目寺(愛知県の寺)
じもくじ

愛知県あま市甚目寺にあり、真言(しんごん)宗智山(ちさん)派。鳳凰(ほうおう)山と号する。本尊聖観音(しょうかんのん)像。縁起によると、伊勢(いせ)の甚目龍麿(はだめたつまろ)が漁労中に入り江の中から紫金の聖観音像を得て597年(推古天皇5)に草堂を建てたのに始まるという。その姓にちなんで甚目寺と称された。天智(てんじ)天皇は当寺の霊験により病気平癒したため、八葉(はちよう)の宝鏡を下賜され勅願寺となった。また、678年(天武天皇7)鳳凰山の額を勅賜された。以後、隆替あり、1103年(康和5)七堂伽藍(がらん)を再興、東海の古刹(こさつ)として盛観を極めた。1873年(明治6)本堂焼失、2年後に仮堂が再建された。仁王門(南大門)、三重塔、東門のほか、寺宝の絹本着色不動尊像(青不動)、仏涅槃(ぶつねはん)図、聖観音像(平安後期)が国の重要文化財である。

[野村全宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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