生涯(読み)しょうがい

精選版 日本国語大辞典 「生涯」の意味・読み・例文・類語

しょう‐がい シャウ‥【生涯】

〘名〙
① この世に生きている間。一生の間。命のある限り。終生終身
文華秀麗集(818)中・待中翁主挽歌詞〈嵯峨天皇〉「生涯如逝川、不慮忽昇仙
徒然草(1331頃)一五一「世俗の事に携はりて生涯をくらすは」 〔庾信‐謝趙王賚糸布等啓〕
② 一生のうち、ある事に関係した期間。一生のうちのある時期。公生涯・私生涯などの形で用いる。〔陸游‐斎中弄筆偶書示子筆詩〕
いのち生命
吾妻鏡‐建久六年(1195)一月八日「闘戦擬生涯。甚非穏便儀之由。直被諷詞
※発心集(1216頃か)四「生涯ただ今を限と思ふに」
④ 命を終えること。また、最期のとき。死を決するとき。
大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)一〇月五日「為事実者当国引汲衆可為生涯者也」
※幸若・和田宴(室町末‐近世初)「五郎を唯今座敷へひき出さぬ物ならば、しゃうがいなりとおもひて」
⑤ (━する) =しょうがい(生害)
※北野社家日記‐明応二年(1493)三月一六日「今日萩野次郎左衛門尉父子共、為屋形生涯也」
⑥ (それを失えば、いのちの糧、生活のよりどころを無くしてしまうところから) 所領地位資格などをいう。
※看聞御記‐応永二五年(1418)一〇月二〇日「此上臈先年木寺宮有密通事。依之彼宮被生涯了」
※大乗院寺社雑事記‐文明六年(1474)一一月二二日「所詮豊田与十市不和之間、蔵院任供目代之間、得時節、十市生涯を取立者也」

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デジタル大辞泉 「生涯」の意味・読み・例文・類語

しょう‐がい〔シヤウ‐〕【生涯】

この世に生きている間。一生の間。終生。副詞的にも用いる。「教育生涯をささげる」「生涯忘れられない出来事
一生のうち、ある事に関係した期間。「政治家としての生涯
いのち。生命。
「―ニ賭ケテ」〈日葡
[類語]一生一生涯人生一世一代今生一期終生畢生ひっせい終身ライフ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「生涯」の読み・字形・画数・意味

【生涯】しよう(しやう)がい

一生。唐・杜甫〔左相に上(たてまつ)る二十韻〕詩 長司馬相如)、多久し 子夏、索居すること(しき)りなり 首(かうべ)を回(めぐ)らせば俗に驅(か)らる 生涯、衆人に似たり

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