産学共同研究開発(読み)さんがくきょうどうけんきゅうかいはつ

大学事典 「産学共同研究開発」の解説

産学共同研究開発
さんがくきょうどうけんきゅうかいはつ

民間企業等が経費を負担して大学等で行われる研究開発活動をいう。国内の歴史は1910年代にさかのぼるが,2004年(平成16)に法人化するまでの国立大学は契約の主体にならないため,用途を指定した寄附金の受入れ(奨学寄附金,寄附講座・寄附研究部門)や,企業等と文部大臣(文部科学大臣)の契約(受託研究,共同研究)の形をとった。科学技術基本法(1995年)の制定後は,大学に帰属する知的財産権を介した産学連携が注目され,研究開発費の還流と大学の社会貢献がめざされた。2014年度の件数と研究費受入れ額は,共同研究(大学等と企業等が共同して実施)が1万9000件(416億円)で,2009年度の1万5000件(295億円)から増加した。受託研究(企業等の委託により大学等が実施)は7000件(111億円),国立大学等の寄附金受入れ額は707億円で,双方とも2009年度から横ばいである。これらの合計額は,大学等の人件費を除いた内部使用研究費の9%にあたる(2014年度)
著者: 塚原修一

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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