天保銭(読み)テンポウセン

デジタル大辞泉 「天保銭」の意味・読み・例文・類語

てんぽう‐せん【天保銭】

天保通宝の俗称。
明治時代、天保通宝の通用が8厘で1銭に足りないところから》知恵の足りない者。
《形が似ているところから》旧陸軍大学校卒業生が胸につけた記章。また、その軍人

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精選版 日本国語大辞典 「天保銭」の意味・読み・例文・類語

てんぽう‐せん【天保銭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. てんぽうつうほう(天保通宝)」の俗称。てんぽう
    1. [初出の実例]「天保銭鍔かと百が抜けた奴」(出典:雑俳・柳多留‐一六〇(1838‐40))
  3. ( 明治四年(一八七一)一二月、天保通宝は八厘通用となったため、一銭に満たないという意味で ) 知恵の足りない者、役に立たない者をあざけっていう。てんぽう。
    1. [初出の実例]「乃公(おれ)は天保銭(テンポウセン)といふから少し足りないのかと思ったら」(出典:珍太郎日記(1921)〈佐々木邦〉四)
  4. 明治二〇年(一八八七)に制定された陸軍大学校の卒業者の上衣右乳部下方に着ける徽章の俗称。
    1. [初出の実例]「天保銭(テンポウセン)をつけた将校は然う大勢ゐない」(出典:珍太郎日記(1921)〈佐々木邦〉四)

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