田中千弥(読み)たなか・せんや

朝日日本歴史人物事典 「田中千弥」の解説

田中千弥

没年:明治31.11.30(1898)
生年:文政9.5.3(1826.6.8)
明治期の神官武蔵秩父郡(埼玉県)下吉田村生まれ。明治7(1874)年教導職試補となり,教導職訓導,貴布禰神社社務などを経て,26年には椋神社社司兼貴布禰神社社掌となった。和歌,詩文などに優れ,特に嘉永3(1850)年から明治31年まで49年間にわたり丹念に綴った日記,秩父事件(1884)の直接の見聞を編述した「秩父暴動雑録」などの諸記録は,秩父地方史ならびに秩父事件研究の基礎史料として貴重である。<著作>『田中千弥日記』

(寺崎修)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田中千弥」の解説

田中千弥 たなか-せんや

1826-1898 江戸後期-明治時代国学者,神職。
文政9年5月3日生まれ。家は武蔵(むさし)秩父(ちちぶ)郡(埼玉県)下吉田村の椋(むく)神社の社家。富田永世(ながよ)にまなび,明治26年椋神社祠官。慶応2年の打ちこわしや,明治17年の秩父事件の模様を詳細に記録(「秩父暴動雑録」)した「田中千弥日記」がある。明治31年11月30日死去。73歳。名は義村。号は菅廼家,椋蔭。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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