田島善平(読み)タジマ ゼンベイ

20世紀日本人名事典 「田島善平」の解説

田島 善平
タジマ ゼンベイ

明治〜昭和期の実業家,政治家 群馬県議。



生年
天保13年2月16日(1842年)

没年
昭和4(1929)年4月11日

出生地
上野島村(群馬県)

経歴
明治5年に蚕種輸出を行う島村勧業の設立に参加し、蚕卵紙を輸出するためイタリアに出かけるなど旺盛に活動、群馬県の蚕糸業発展に貢献した。一方、19年には実利的開化思想に惹かれてキリスト教入信し、自宅に島村教会創立して伝道活動に当たる。また自由党に入って政界でも活動、群馬県議・副議長などを歴任し、足尾鉱毒事件廃娼運動などに取り組んだ。実業界・政界での活動に専念するに従って教会の倫理に反するようになり、ついには除名処分となるが、のちに悔い改めて教会に復帰した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「田島善平」の解説

田島善平

没年:昭和4.4.11(1929)
生年:天保13.1.7(1842.2.16)
クリスチャン実業家,政治家。上野国(群馬県)島村に生まれる。明治19(1886)年に実利的開化思想としてキリスト教に入信,自宅を開放して島村教会創立に尽力他方,蚕卵紙の海外直輸出のためイタリアに赴くなど上州の蚕糸業発展に寄与した。また自由党員として県会議員当選,副議長となり,足尾鉱毒事件,廃娼運動にも力をつくす。初めは忠実な信仰生活を送ったが,実業家,政治家として活動するにつれ教会のピューリタン的倫理に反し除名されたが,のち悔い改めて復帰した。「田舎紳士」(徳富蘇峰)のひとりであった。<参考文献>『日本基督教団島村教会百年史』

(原誠)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田島善平」の解説

田島善平 たじま-ぜんべい

1842-1929 明治-大正時代の政治家,実業家。
天保(てんぽう)13年1月7日生まれ。明治5年島村勧業の創立に参画,蚕種の直輸出につとめる。19年受洗,邸内に教会堂をもうけて布教。また自由党にはいり,群馬県会議員,副議長となり,足尾鉱毒事件,廃娼問題などにとりくんだ。昭和4年4月11日死去。88歳。上野(こうずけ)(群馬県)出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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