田辺五兵衛(読み)たなべ・ごへえ

朝日日本歴史人物事典 「田辺五兵衛」の解説

田辺五兵衛

没年:享保7.1.10(1722.2.25)
生年:正保3(1646)
江戸中期の合薬業者。朱印船貿易業者初代田辺屋又左衛門の孫として大坂土佐堀に生まれる。寛文10(1670)年に分家。延宝6(1678)年土佐堀で独立開業して産前産後の振り出し薬「たなべや薬」を主力商品として業績を伸ばし,元禄年間(1688~1704)初頭には「黒川大和大掾藤原金永」の受領名を受けるまでになり,以来,他の田辺屋一統と区別して黒川田辺屋と呼ばれた。以後,歴代五兵衛を襲名。6代目に至って大坂薬種商の中心街道修町に進出,明治維新期には11代目が輸入洋薬の取り扱いを行い,明治10(1877)年には12代目に当たる3兄弟が製薬業を行って洋薬の国産化をはかり,道修町薬業家の有力者の地位を獲得するに至った。<参考文献>『田辺製薬三百五年史』

(宗田一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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