田面船(読み)たのもぶね

日本大百科全書(ニッポニカ) 「田面船」の意味・わかりやすい解説

田面船
たのもぶね

広島県尾道(おのみち)市でつくられる郷土玩具(がんぐ)。柄杓(ひしゃく)の材料にする薄板でつくった屋形船船体に、紅白色紙幔幕(まんまく)に見立てて張り、四つの車をつけている。旧暦8月1日の八朔(はっさく)の田面節供は、全国的な農家の行事だが、西日本では田面祭りで豊作を祈る。この田面船は、昔、尾道から米を積み出した千石船にかたどり、柄杓製造業者がつくったという。田面の節供に初誕生を迎える男の子に贈られ、子供が歩けるようになると、船に新粉(しんこ)細工の田面人形を乗せて、これを引きながら産土(うぶすな)神に宮参りをする習俗がある。

[斎藤良輔]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「田面船」の解説

田面船

広島県尾道市の郷土玩具。江戸時代の千石船を模したもの。この地方で旧暦8月1日に行われる節句行事に用いられる。

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