由良氏(読み)ゆらうじ

改訂新版 世界大百科事典 「由良氏」の意味・わかりやすい解説

由良氏 (ゆらうじ)

上野国新田郡(新田荘)を基盤とする戦国大名。当初小野姓の横瀬氏を称し,新田岩松氏家臣であった。15世紀後半の享徳の乱で,横瀬国繁新田岩松家純に属して活躍し,1469年(文明1)家純とともに金山城を築城した。しかし,その子成繁(業繁)は家純の孫尚純と対立し,95年(明応4)権力を奪取し,尚純を隠遁させ,子の昌純を擁立した。その昌純も享禄年中(1528-32)に横瀬泰繁に殺害される。泰繁の子成繁は由良氏と改称。その子国繁は金山城によって,上杉,武田,後北条氏三つ巴の戦国争覇の中にあって,足利,館林の長尾氏(顕長,国繁の弟)と同盟し,外交的手段を駆使してよくその独立を保った。しかし1585年(天正13),後北条氏の攻撃の前に屈伏し,桐生退去。90年に豊臣秀吉によって常陸牛久5400石に封ぜられ,江戸時代中期以降高家衆となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android