甲努郷(読み)こうのごう

日本歴史地名大系 「甲努郷」の解説

甲努郷
こうのごう

和名抄」諸本に「加布乃」の訓がある。郷域については「大日本地名辞書」「岡山県通史」ともに、尾坂おさか川の流域で現笠岡市の北部地域にあたる甲弩こうの走出はしりで山口やまぐち新賀しんが関戸せきどの地域とする。推定郷域内には注目すべき遺跡がある。一つは走出と山口の境界にある丘陵に営まれている長福寺裏山ちようふくじうらやま古墳群である。長軸の長さ約六二メートルのふたづかと長軸の長さ約五〇メートルと推定される東塚ひがしづかはともに前方後円墳で、径約三六メートルの仙人塚せんにんづかは帆立貝式古墳で、このほか四基以上の円墳もあり、それぞれに豊富な副葬品をもつ。小田郡内にこのような規模の首長墓群はほかにない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android