甲掛け(読み)コウカケ

デジタル大辞泉 「甲掛け」の意味・読み・例文・類語

こう‐かけ〔カフ‐〕【甲掛け/甲懸け】

《「こうがけ」とも》手足の甲に掛けて日光ほこりを避ける布。特に、旅装具として用いた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「甲掛け」の意味・わかりやすい解説

甲掛け (こうがけ)

手の甲にかける手甲に対して,足の甲にかける布製品で,足袋の底をとった形のもの。古くは旅や労働の際,足の甲を保護し,あるいは防寒のために用いた。近年まで富山長野秋田など寒冷地,あるいは農山村地帯の農民に用いられていた。秋田県では1955年ころまで,〈三角わらじかけ〉とよぶ甲掛けがあり,三角の先についている糸紐を足の第2指にかけ,上部につけた紐で足首を2巻きして結んだ。また〈あくとかけ〉(〈こはばき〉とも)とよぶかかとを保護する布製品は,足の甲も十分におおうようになっており,一種の甲掛けといえる。材料は紺木綿,黒木綿が多く,裏つきで,布の補強と甲の保温のため山形に刺子をほどこしたものが多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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