家庭医学館 「男性性器の損傷」の解説
だんせいせいきのそんしょう【男性性器の損傷 Injuries to the Penis and Testis】
男性性器の損傷には、陰茎(いんけい)の損傷、精巣(せいそう)(睾丸(こうがん))の損傷があります。
●陰茎損傷(いんけいそんしょう)
多くは、勃起(ぼっき)時や性交時におこる陰茎折症(いんけいせっしょう)と呼ばれるものです。これは骨折ではなく、陰茎の海綿体(かいめんたい)を包む白膜(はくまく)の損傷です。勃起で緊張しきっている白膜に、なんらかの強い力がはたらくと、ボキッという音や激痛とともに白膜が断裂します。陰茎は海綿体からの出血により屈曲し、暗赤色に腫(は)れあがります。
●精巣損傷(せいそうそんしょう)
精巣(睾丸)が入っている陰嚢(いんのう)は可動性があり、精巣も白膜という強靱(きょうじん)な膜でおおわれているので、損傷はおこりにくいものです。
しかし、蹴(け)られたりして挫傷(ざしょう)や破裂がおこると、激しい痛みとともに一時的にショック状態になることがあります。こうした場合は、陰嚢内に血のかたまり(血腫(けっしゅ))ができ、精巣や鼠径部(そけいぶ)に強い痛みを訴えます。
[治療]
いずれの場合も、手術で血腫を取り除き、破裂や断裂が確認されれば、破れた白膜は縫合します。