畑郷(読み)はたごう

日本歴史地名大系 「畑郷」の解説

畑郷
はたごう

現山添村の東北部を占める中近世の郷名。元禄郷帳の春日かすが大西おおにし菅生すごう上津河内かみつこうち・下津河内・獺瀬おそせ仲峯山ちゆうぶぜん広代ひろだいなかしよう吉田よしだ鵜山うやま片平かたひら北葛尾きたくずお広瀬ひろせおよびだけ(現添上郡月ヶ瀬村)の一五ヵ村を含み、明治二二年(一八八九)成立の波多野はたの村の地にほぼ該当する。

中世は大乗院領藤井ふじい庄で、畑庄ともよばれた。天正九年(一五八一)織田信長の伊賀攻めに際し、筒井順慶は笠間かさま(現宇陀郡室生村)から進攻、乱平定後も春日山に逃亡した伊賀一揆衆を掃討して東山中ひがしさんちゆうに支配権を確立した。畑郷に家臣松蔵弥八郎(松倉重信)を配置し、のち同一一年末、中坊飛騨守(秀祐)に畑郷五〇〇石の知行を与えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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