畔・畦・壠(読み)くろ

精選版 日本国語大辞典 「畔・畦・壠」の意味・読み・例文・類語

くろ【畔・畦・壠】

〘名〙
① 田と田の間の土を盛り上げた所。田の境。あぜ。
※岩淵本願経四分律平安初期点(810頃)「世尊〈略〉中道にして有る田の善能く事を作して畦(クロ)・畔(あ)斉整(ととのほれる)を見(みそこ)なはして」
② 小高くなった所。また、物を小山のように積み上げたもの。〔観智院本名義抄(1241)〕
せみと蓮の花(1952)〈坪田譲治〉「そばの畑に大きな藁のくろがあった」
[語誌]①の意味では、アゼが主に北陸・中部以西、九州にかけて分布するのに対し、クロは関東以北および九州北部の一部などに見られる。この分布状況から、クロはアゼよりも古い語形と推定され、文献への両語形の出現順とも合致する。→あぜ(畔)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android