畜生腹(読み)ちくしょうばら

精選版 日本国語大辞典 「畜生腹」の意味・読み・例文・類語

ちくしょう‐ばら チクシャウ‥【畜生腹】

〘名〙 (獣類一回分娩(ぶんべん)で、ふつう複数の子を生むところから)
① 女が一回の分娩で二子以上を生むこと。また、多産をののしっていう語。畜生孕(ばら)み。
② 男女一人ずつの双生児前世で心中した者の生まれ変わりとして嫌われた。〔現代語大辞典(1932)〕

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デジタル大辞泉 「畜生腹」の意味・読み・例文・類語

ちくしょう‐ばら〔チクシヤウ‐〕【畜生腹】

《犬・猫などの動物が、1回に2匹以上の子を産むところから》
女性が1回に二人以上の子供を産むことをののしっていった語。
双生児や三つ子などをいった語。また、男と女の双生児。前世で心中した者の生まれかわりとして忌み嫌われた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の畜生腹の言及

【双子】より

… 双子は不吉だとみなす民族と,歓迎すべきものとする民族がある。不吉とされる理由は,一度に複数の子どもが生まれるのは動物と同じだから(日本では畜生腹といわれた),悪霊や邪術師のしわざだから(西アフリカのコンコンバ族),母親の姦通の結果だから(南米のチャコ族),男女の双子は母の胎内で近親相姦を犯すから(サモア),親を殺す(スーダンのディンカ族),あるいは親が死ぬから(ラオスのラメート族)など,動物性,邪性と結びつけられた場合である。このような社会では,双子はその双方か一方が殺されるか,社会的に排除され,あたかも双子が存在しなかったかのような処置を取ることが多い。…

※「畜生腹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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