家庭医学館 「疥癬(ひぜん)」の解説
かいせんひぜん【疥癬(ひぜん) Scabies】
疥癬虫(かいせんちゅう)(ヒゼンダニ)という0.4mmぐらいの小さなダニが皮膚に寄生する病気で、直接人から人へ、あるいは寝具を介して感染します。
腹部、大腿部(だいたいぶ)、わきの下などに散発する赤い丘疹(きゅうしん)、指や手に多発する小水疱(しょうすいほう)や小膿疱(のうほう)と線状の皮疹(ひしん)(疥癬(かいせん)トンネルといいます)、陰部の小結節(しょうけっせつ)などの症状が特徴です。激しいかゆみがあり、夜間とくにかゆみが増します。かき傷から細菌が入って化膿(かのう)したり、湿疹(しっしん)になることがあります。
[治療]
皮疹(ひしん)のあるところだけでなく、全身に、毎日入浴してから角質剥離(かくしつはくり)作用と殺ダニ作用のある硫黄軟膏(いおうなんこう)、殺ダニ作用のあるクロタミトンや安息香酸(あんそくこうさん)ベンジルなどを塗布(とふ)しますが、家族内感染をおこすので、家族全員が治療を受けることが必要です。
寝具はよく日光に当て、肌着は毎日とり替えます。