疾病地理学(読み)しっぺいちりがく(英語表記)medical geography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「疾病地理学」の意味・わかりやすい解説

疾病地理学
しっぺいちりがく
medical geography

人間の医学的現象を地域との関連から研究する地理学の一分野医学地理学疾病地理学より,さらに広い現象を対象とするが,同義に用いられることもある。風土病などあらゆる疾病の分布,環境との関係での人間の健康,疾病や死亡の原因,それらの地域的差異などが研究の対象となる。環境論の祖でもあるヒポクラテス (前 460~377) に始るもので,18世紀末以来,ドイツフランスで研究が進められ,20世紀に入って地理学のなかで独自の分野を確立した。統計的手段が有効に利用され,疾病地図や季節病カレンダーなどが作成されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の疾病地理学の言及

【医学地理学】より

…主として集団的な形をとってあらわれる疾病,死亡現象を地域との関連において把握する学問。しかし学問の形成過程においては必ずしも明確な性格を示したわけではなく,疾病(しつぺい)地理学,地理医学あるいは地理病理学とも言われてきた。また,幾多の医的現象を広く地理学的にとらえようとする立場から,近年では健康地理学geography of healthという名称も使われてきている。…

※「疾病地理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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