痩松(読み)ヤセマツ

デジタル大辞泉 「痩松」の意味・読み・例文・類語

やせまつ【痩松】

狂言和泉いずみ山賊長刀で女を脅して持っていた袋を奪うが、油断して女に長刀を奪われて、逆に身ぐるみはがれる。大蔵流金藤左衛門きんとうざえもん」の類似曲。

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精選版 日本国語大辞典 「痩松」の意味・読み・例文・類語

やせ‐まつ【痩松】

[1] 〘名〙
① 痩せた松の木。
※俳諧・沙金袋(1657)春「痩松も年を肥たるあした哉〈納元〉」
② みいりのないこと。獲物のないこと。また、その人。
※虎明本狂言・痩松(室町末‐近世初)「何ももたぬあしひものをやせ松と申が」
[2] 狂言。大蔵和泉流。山賊が、通りかかった女を長刀(なぎなた)でおどして持っていた袋を奪う。ところが中の品物を見て喜んでいるすきに女に長刀を奪われて逆におどされ、着物まで奪われる。「やせまつ」は、良い獲物のない時の山賊の合言葉女山賊(おんなやまだち)

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