痴れる(読み)シレル

デジタル大辞泉 「痴れる」の意味・読み・例文・類語

し・れる【痴れる】

[動ラ下一][文]し・る[ラ下二]
何かに心を奪われて、正気を失う。頭の働きが鈍る。ぼける。「酒に酔い―・れる」
心地、ただ―・れに―・れて」〈竹取
いたずら好きである。ふざける。
「さても―・れたる御坊ごばうかな」〈浮・織留・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「痴れる」の意味・読み・例文・類語

し・れる【痴】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]し・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 判断識別能力が働かなくなる。ぼける。ばかになる。
    1. [初出の実例]「中に心さかしき者、念じて射んとすれども、ほかざまへ行きければ、あれも戦はで、心地ただしれにしれて、守り合へり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. ( 「たり」を伴って ) いたずら好きである。ふざける。
    1. [初出の実例]「しれたる女房ども、若き男達の参らるる毎に、『郭公や聞き給へる』と問ひて心みられけるに」(出典:徒然草(1331頃)一〇七)

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