登髭(読み)のぼりひげ

精選版 日本国語大辞典 「登髭」の意味・読み・例文・類語

のぼり‐ひげ【登髭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 頬、顎(あご)などの髭を、耳の上に向かって上にひねりあげたもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. ( 髭がのように植えられているところからいう ) 狂言の面の一種。尉の面に似たもので、主に間(あい)狂言の末社の神に用いる。
    1. 登髭<b>②</b>〈東京国立博物館蔵〉
      登髭〈東京国立博物館蔵〉
    2. [初出の実例]「狂言の面は、能の面をくづしたる也、笑尉を、のぼりびけにし」(出典:わらんべ草(1660)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の登髭の言及

【狂言面】より

…狂言面の表現の特色は,自ら笑うことによって人に笑いをもよおさせるものと,誇張や歪曲つまり自然に著しく矛盾した表現によって笑いをさそうものと二つあり,〈延命冠者〉系は前者の,〈武悪〉は後者の代表的なものである。ほかに,末社の神に使われる〈登髭(のぼりひげ)〉,男の幽霊である〈鼻引〉,動植物の精霊をあらわす〈嘯吹(空吹)(うそぶき)〉と〈賢徳〉,老人の〈祖父(おおじ)〉,老女や醜女の〈乙(おと)〉〈ふくれ〉〈尼〉などがあり,動物そのものをあらわす〈猿〉〈狐〉〈狸〉〈犬〉〈鳶(とび)〉などもある。猿と狐はそれぞれ日吉山王と稲荷の神の使者として,早くから登場している。…

※「登髭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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