白波・白浪(読み)しらなみ

精選版 日本国語大辞典 「白波・白浪」の意味・読み・例文・類語

しら‐なみ【白波・白浪】

〘名〙
① 白い波。白くくだける波。
万葉(8C後)一七・四〇〇六「水門(みなと)には 之良奈美(シラナミ)高み 妻呼ぶと 渚鳥は騒く」
※土左(935頃)承平五年一月二一日「わがかみのゆきといそべのしらなみといづれまされりおきつしまもり」
② (後漢の末、黄巾(こうきん)の賊が西河の白波谷にこもって掠奪を働いたのを、時の人が白波賊と呼んだという「後漢書‐霊帝紀」の故事から、それを訓読していったもの) 盗賊盗人。〔俊頼髄脳(1115頃)〕
方丈記(1212)「所、河原近ければ、水の難も深く、白波のおそれもさわがし」
③ 紋所の名。白い波がしらを三つ左右対称にして図案化したもの。
④ 魚、狗母魚(えそ)をいう女房詞。〔大上臈御名之事(16C前か)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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