白点(読み)ハクテン

デジタル大辞泉 「白点」の意味・読み・例文・類語

はく‐てん【白点】

白色の点。
胡粉ごふんまたは白墨を用いて加点した白色の訓点。→訓点

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精選版 日本国語大辞典 「白点」の意味・読み・例文・類語

はく‐てん【白点】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 白い点。
    1. [初出の実例]「藻魚 訓毛宇乎 付笠子魚 集解、〈略〉黒色雑白点胡麻蒸渣之黒白相交」(出典本朝食鑑(1697)八)
    2. [その他の文献]〔白居易‐彭蠡湖晩帰詩〕
  3. 胡粉で加点した訓点。字面をよごさず、水で洗い落とせる便がある。平安時代初めに多く用いられた。朱点より私的性格が強い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白点」の意味・わかりやすい解説

白点
はくてん
white spot

鋼材に生じる欠陥で,破壊の原因となり,破面白斑を生じることからこの名がある。原因は熱サイクルひずみ,偏析不純物および水素含有など,複雑である。酸性操業 (→製鋼 ) で製造された高級鋼材,特にニッケルクロム鋼に多発するが,LD転炉法採用以来減少した。対策はA変態点 (→鉄鋼の変態 ) 以下での徐冷および完全な脱水素が基本とされる。

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世界大百科事典(旧版)内の白点の言及

【機械構造用鋼】より

…炭素鋼に限らずこの鋼は,成分調整以外に熱処理条件の選定によって,広範囲の力学的性質を発揮させることができる。 機械構造用鋼の取扱い上とくに注意しなければならないことは,白点の発生防止と焼戻し脆性(ぜいせい)の防止である。白点は,オーステナイトと,フェライトまたはマルテンサイトとの間で水素の固溶度が大幅に異なることに起因して生じるもので,鋼の内部の引張応力が作用している面に沿って,弾性ひずみエネルギーを軽減させつつ析出する水素ガスが組織を分断することによって生ずる亀裂の内発的な核をいう。…

※「白点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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