日本大百科全書(ニッポニカ) 「白雲母(しろうんも)」の意味・わかりやすい解説
白雲母(しろうんも)
しろうんも
muscovite
雲母の一種で、白雲母(はくうんも)ともいう。産出量、産状ともきわめて豊富な鉱物である。薄くはげやすく、弾性に富む葉片状結晶で、自形は六角ないし菱形(ひしがた)板状をなす。各種岩石中に産するが、おもに、花崗(かこう)岩およびそのペグマタイト、結晶片岩、片麻(へんま)岩中によくみられる。そのほか、熱水鉱床の脈石として、アルミニウムを主成分とする珪(けい)酸塩鉱物の分解物としても産する。微細な結晶が集合したものは絹雲母(きぬうんも)とよばれ、結晶片岩や粘土鉱床中でよくみられる。クロムを含んで緑色を呈するものをクロム白雲母(フクサイト)、ケイ酸分にやや富むものをフェンジャイトなどと称することがある。英名は、ロシアのムスコビー地方から最初に記載されたときに使われた名前、ムスコビーガラスMuscovy glassに由来して命名された。
[松原 聰]
[参照項目] |
| | | | | | [補完資料] |