百一文(読み)ひゃくいちもん

精選版 日本国語大辞典 「百一文」の意味・読み・例文・類語

ひゃくいち‐もん【百一文】

〘名〙 江戸時代、小額利貸金の一つ。朝、銭百文を借り、晩に利息一文を添えて百一文にして返済する金。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の百一文の言及

【貸金業】より

…手形割引,売渡し担保による金銭の交付も含まれる。江戸時代に入ると,貨幣経済の発達とともに諸侯,武士を相手とする両替商,小銭屋(大坂では掛屋,江戸では札差と呼ぶ)が生まれ,庶民を相手とする盲金(めくらがね)(座頭金),烏金(からすがね),百一文等の貸金業(高利貸)がおこった。明治・大正時代には貸金業が多く,農民は多くの被害に遭い,一般の人々は高利にあえいだ。…

【金貸】より

…烏金(からすがね)というのは一昼夜を期限としたもので,明烏(あけがらす)が鳴けば返すというのでこの名があった。百一(ひやくいち),百一文と呼ばれたのは,朝100文を借りると夕方に101文返すもので,棒手振(ぼてふり)の行商人などには必要不可欠ともいえる金融機関であった。朝,元手の金を借りて野菜,魚貝などを仕入れ,1日売り歩いてその晩元利を返済する。…

※「百一文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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