皇娘娘台遺跡(読み)こうじょうじょうだいいせき(英語表記)Huáng niáng niáng tái yí zhǐ

改訂新版 世界大百科事典 「皇娘娘台遺跡」の意味・わかりやすい解説

皇娘娘台遺跡 (こうじょうじょうだいいせき)
Huáng niáng niáng tái yí zhǐ

中国甘粛省武威県の小丘上にある新石器時代末期の遺跡。1957年と59年に調査された。甘粛仰韶文化の斉家文化期の単一遺跡とみられる。貯蔵穴,長方形竪穴土壙墓,住居址が検出された。土器には泥質紅陶と粗砂紅陶があり,前者の双耳大罐,外反長頸で長胴の双耳罐はこの文化に特徴的である。方形石庖丁,石鎌などの磨製石器が基本であるが,細石器も多い。アワ栽培を行い,牛,羊,豚,犬も飼養していたらしい。卜骨は羊がぬきんでて多い。銅刀,銅錐,銅鑿,銅環などの小型銅器の出土は重要で,初期銅器のあり方を示す。鍛造品と鋳造品があり,青銅ではなく,銅が99%を占める紅銅である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android