皮下出血(読み)ヒカシュッケツ

デジタル大辞泉 「皮下出血」の意味・読み・例文・類語

ひか‐しゅっけつ【皮下出血】

打ち身などで皮下組織にある血管が切れて出血すること。血液体外に出ず、暗色の斑状を示す。血管ないし血液の異常によって起こる場合もある。

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精選版 日本国語大辞典 「皮下出血」の意味・読み・例文・類語

ひか‐しゅっけつ【皮下出血】

〘名〙 皮下組織中の血管が切れて皮下組織中に出血すること。表面に血液は出ず、その部分は青い斑状を示す。外傷による場合と、血管ないし血液の異常による場合がある。
※彼と彼の内臓(1927)〈江口渙〉「その部分を切開しますと皮下出血がありました」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「皮下出血」の意味・わかりやすい解説

皮下出血
ひかしゅっけつ

一般には打ち身によって皮膚におこる出血を意味しており、皮下溢血(いっけつ)ともよばれている。病理学的には、皮膚の真皮や皮下組織にある毛細管静脈周囲におこる出血で、出血の面からいえば点状出血の形をとる場合が多い。血液凝固機転に異常があっておこる出血性素因や、白血病などの血液疾患の場合にみられるので、臨床的に精密に検査する必要が強調されている。

渡辺 裕]

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世界大百科事典(旧版)内の皮下出血の言及

【出血】より

… 出血している血管の種類により,鮮紅色の血液が拍動性に出血する動脈性出血,暗赤色の血液がゆるやかに出血する静脈性出血,どこからともなくにじみ出てくる毛細管性出血とに分けられる。また,体外への出血の外出血と,組織内または体腔内にみられる内出血とがあり,うち皮下組織内の出血を皮下出血という。出血の大きさにより,点状出血,斑状出血,組織内に広い範囲にわたってみられる血性浸潤などがあり,また1ヵ所に血液がたまって腫瘍状を呈する血腫,体腔または管状・囊状の臓器内に出血してたまった血瘤がある。…

【打撲傷】より

…むちや棒きれなどで打たれたときにできる〈みみずばれ〉では,皮膚の発赤とはれがみられるが,これは皮膚血管の拡張と軽度の滲出による。さらに鈍力が強く加わると,主として皮下組織中の毛細血管が損傷されて皮下出血を生じ,皮膚に種々な大きさの斑点(青あざ)ができる。深部の筋肉が損傷されると,当初は出血斑はみられないが,出血した血液が組織の間隙を通って重力に従って身体の低部に流れ,その部におくれて斑点が生じたり,組織間に血液が貯留して血腫をつくる。…

※「皮下出血」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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