デジタル大辞泉 「皮膚粘膜眼症候群」の意味・読み・例文・類語
ひふねんまくがん‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【皮膚粘膜眼症候群】
[補説]原因となる医薬品を服用してから2週間以内に発症することが多いが、数日以内または1か月以上経過して発症することもある。セ氏38度以上の高熱、目の充血、めやに、まぶたの腫れ、目が開けづらい、唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮膚の広範囲が赤くなるなどの症状がみられる場合は医師の診察を受ける必要がある。
1950年ロビンソンらが皮膚症状、粘膜症状、眼症状を併発する疾患群を一括してよぶことを提唱した疾患名であるが、かなり多様な疾患が包含されていて、現在わが国では皮膚粘膜眼症候群総合研究班によって、〔1〕多形滲出(しんしゅつ)性紅斑(こうはん)(フックスFuchs症候群、スティーブンス‐ジョンソンStevens-Johnson症候群)、〔2〕ベーチェット症候群、〔3〕ライターReiter病に分類されている。しかし、本症を多形滲出性紅斑群と同意語として用いる人もいて、定義に関してはなお混乱がある。本症はヘブラ型多形滲出性紅斑の重症型と一般にみられており、種々の全身症状とともに粘膜病変が特徴的な疾患であり、重症例にはステロイドの内服または注射が必要である。
[渡辺晋一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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