盆屋(読み)ぼんや

精選版 日本国語大辞典 「盆屋」の意味・読み・例文・類語

ぼん‐や【盆屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 博打の席を貸して寺銭をとる家。ばくちやど。
    1. [初出の実例]「爰から直ぐにぼんやへ出掛け、はつちこうなら、四壺の胴金しこり博奕花遣をらう」(出典:浄瑠璃・男作五雁金(1742)江戸本丁呉服屋)
  3. 席料を出して男女密会に利用する家。出合茶屋。つれこみ宿。
    1. [初出の実例]「絹川村の其盆屋に、腰居て」(出典:浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の盆屋の言及

【茶屋】より

…徳川幕府は茶屋や茶屋女を取り締まり,延宝(1673‐81)以後おもに数量規制で対処したが,実効は薄かった。料理茶屋の多くは貸席的性格をもっていたが,その中から貸席専業の待合茶屋,席貸(せきがし)が現れ,さらに男女の密会を専門とする出合茶屋(または盆屋(ぼんや))が分岐した。遊郭には編笠茶屋,引手茶屋があり,茶屋と略称されることがあった。…

【待合】より

…原則として待合は,芸者などの芸人を招いて客に遊興させる店で,調理設備をもたず飲食物は他から取り寄せることとし,貸席料のほかに飲食代や芸者の玉代(ぎよくだい)および売春料の一部をはねて収入とする。なお,江戸時代の売春仲介貸席業としては,中宿(なかやど),盆屋(ぼんや),船宿などがあった。【原島 陽一】。…

※「盆屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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