益体(読み)ヤクタイ

デジタル大辞泉 「益体」の意味・読み・例文・類語

やく‐たい【益体】

[名・形動]
《「益体無し」の略》役に立たないこと。また、そのさま。
「ええ―なと我慢暴風あらしで吹き払って」〈露伴・辻浄瑠璃
役に立つこと。また、しまりのあること。きちんと整っていること。
「荷を締めるやら、何やら、―のあることか」〈浄・会稽山
[類語]利益ため裨益ひえき便益実利メリット・得る所・一利

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「益体」の意味・読み・例文・類語

やく‐たい【益体】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 整った状態にあり用に十分耐えられること。役に立つこと。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「荷を締めるやら何やら、やくたいの有る事か」(出典:浄瑠璃・曾我会稽山(1718)四)
  3. やくたいなし(益体無)」の略。
    1. [初出の実例]「庭では下女がやくたいの目がしげければさもならず」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
  4. めいわくなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「さりとは、やくたいなせんさく。〈略〉武士の身に、させる高名ともなるべからず」(出典:談義本・当世下手談義(1752)一)

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