目犍連(読み)モクケンレン

デジタル大辞泉 「目犍連」の意味・読み・例文・類語

もくけんれん【目犍連】

《〈梵〉Mahāmaudgalyāyanaの音写、「摩訶目犍連」の略》前5世紀ごろのインドの僧。マガダ国バラモン出身釈迦十大弟子の一人となり、神通じんずう第一といわれた。餓鬼道に苦しむ母を救うため、自恣じしの日に多くの僧を集めて供養したといわれ、これが盂蘭盆会の起こりとされる。大目犍連目連

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精選版 日本国語大辞典 「目犍連」の意味・読み・例文・類語

もくけんれん【目犍連】

(Mahāmaudgalyāyana の音訳「摩訶目犍連」の略。大目犍連・目連とも) 仏教の開祖釈迦の十大弟子の一人。中インドのマガダ国のバラモンの出身。舎利弗(しゃりほつ)とともに仏弟子となった。神通第一といわれる。盂蘭盆会(うらぼんえ)は、かれが餓鬼道に落ちて苦しんでいた母を救うことができたという伝承に基づく。目連。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「目犍連」の意味・わかりやすい解説

目犍連
もくけんれん

釈迦(しゃか)の十大弟子の一人。サンスクリット語マウドガリヤーヤナMaudgalyāyanaの音写。大目犍連ともいい、目連と略称もする。マガダ国のバラモンの出身。シャーリプトラŚāriputra(舎利弗(しゃりほつ))とともに、懐疑論者サンジャヤSañjayaの弟子となり、当初、マガダ国では釈迦より有名であったが、シャーリプトラとマウドガリヤーヤナを弟子にした釈迦は一躍有名になった。マウドガリヤーヤナは超自然的能力に優れ、修行の結果、神通(じんずう)第一といわれるに至った。多くの仏教信者を獲得したらしく、ある日、托鉢(たくはつ)に出かけたとき、執杖(しゅうじょう)バラモンたちがみつけて、「彼さえいなければ、釈迦の教団は終わり」であるといって、彼を半死半生のめにあわせ、それがもとで釈迦在世中に没した。後世盂蘭盆経(うらぼんぎょう)』ができ、目犍連が餓鬼道に落ちた母を救うという伝説がつくられ、お盆(盂蘭盆会(え))の起源とされるに至った。

[石上善應 2016年12月12日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「目犍連」の意味・わかりやすい解説

目犍連
もくけんれん

インドの僧。略称は目連。サンスクリット語 Maudgalyāyanaの音写。釈尊十大弟子の一人。バラモンの家に生まれ,初め六師外道の一人である懐疑論者サンジャヤの弟子であった。のち友人の舎利弗 (しゃりほつ) に誘われて仏弟子となり,教団の長老として教化に努め,神通第一と称された。

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