直化(読み)すぐばけ

精選版 日本国語大辞典 「直化」の意味・読み・例文・類語

すぐ‐ばけ【直化】

〘名〙
① 江戸時代、遊女が客の心を引きつけるために、通常とは逆にありのままに身の上などを打ち明け、客を満足させ信用させること。
評判記・けしずみ(1677)「粋立てと見做しては、女もまた、あるはすぐばけに出、言葉より外にいふまじき品をもいひ」
② 相手の言葉にそのままのってだますこと。
談義本・教訓乗合船(1771)二「極楽地獄両界の沙汰を説れしを、直(ス)ぐ化(バケ)に売付るゆへ、儒生が、眉を上げて、寂滅の教と叱り」
歌舞伎で、役者台本せりふとは別に、自分の個人的な話を差し入れ、観客を喜ばせること。
※評判記・役者辰暦芸品定(1724)江戸「木挽町から一所にきたと、すぐばけの口上当り当り」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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