相助ける(読み)あいたすける

精選版 日本国語大辞典 「相助ける」の意味・読み・例文・類語

あい‐たす・けるあひ‥【相助】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]あひたす・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「あい」は接頭語 )
  2. 助力する。力を貸す。
    1. [初出の実例]「天皇〈略〉吉備上道の采女大海を以て紀小弓宿禰に賜ひて身に随へて視養(とりみること)を為しめたまふ。遂に推轂(アヒタスケ)て遣(つか)はす」(出典:日本書紀(720)雄略九年三月(前田本訓))
    2. 「道の程も、消え入るばかり弱げにてものせらるれど、左衛門督なども、ものせられなむ。さてはえ侍るまじければ、あひたすけて、明後日(あさて)ばかりなど」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)二)
  3. 危難などを救う。
    1. [初出の実例]「粟の飯(いひ)(とち)の粥(かゆ)など取出して其の飢を相助(タス)く」(出典:太平記(14C後)五)
  4. がまんする。しのぶ。
    1. [初出の実例]「おもき病(やまひ)をあひたすけてなん参りて侍りし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  5. 互いに助け合う。
    1. [初出の実例]「足らさるが如に謙てしかも人と相助けたりなどせず」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)三)
  6. ( から ) ある物事に、もう一つ物事が加わってその状態を強める。
    1. [初出の実例]「虚子君の無精と小生の発熱と相助けて保等登芸須の遅延を来し」(出典:消息(1899‐1900)〈正岡子規〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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