睫毛乱生(読み)しょうもうらんせい(その他表記)Trichiasis

家庭医学館 「睫毛乱生」の解説

しょうもうらんせい【睫毛乱生 Trichiasis】

[どんな病気か]
 まつげ睫毛)の生える向きが不規則なものを睫毛乱生といいますが、内向きに生えているまつげが眼球(がんきゅう)に触れるために、黒目(くろめ)(角膜(かくまく))が障害されます。
[症状]
 まつげが黒目に当たると異物感を生じますが、子どもでははっきりと症状を訴えることができないので、まぶしがるとか、めやに(眼脂(がんし))が多いといった症状で、両親が気づくことが多いようです。
 黒目を持続的に傷害するので、角膜を傷つけたり、角膜混濁(かくまくこんだく)の原因となることもあります。
[治療]
 黒目に当たるようなまつげを抜くと、しばらくはよいのですが、1~2か月するとまた生えてきます。ですから、障害の程度がひどくなければ、角膜保護剤や抗生物質点眼薬を使ってしばらくようすをみます。
 まつげを生えてこないようにするためには、電気分解レーザー毛根(もうこん)を焼却する治療が行なわれますが、それでも再発することが少なくありません。

しょうもうらんせい【睫毛乱生 Trichiasis】

[どんな病気か]
 まつげ(睫毛)の生える方向がばらばらの状態をいいます。
 上下両方のまぶたに生じることがありますが、治療が必要になるのは、多数のまつげが眼球(がんきゅう)の表面に接触し、とくに角膜(かくまく)に傷がついて痛みが強いときです。この場合、まつげを抜いたり、毛根(もうこん)を電気で破壊したりします。
 これらの方法では、まつげがのびると症状が再発するので、くり返し処置を行なう必要があります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内の睫毛乱生の言及

【まつ毛(睫)】より

…まつ毛は汗や雨水の進入を防ぐのみならず,眼球の表面に異物が達するのを防ぐうえに,かなりの役割を果たすものと考えられる。まつ毛の生え方が不規則になることを睫毛乱生というが,これによってまつ毛が内側に向かって生えたり,眼瞼が内反してまつ毛が内側を向くと,角膜に接触して刺激するようになる。このような状態を俗に〈さかまつ毛〉という。…

※「睫毛乱生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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