知念城(読み)ちねんじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「知念城」の意味・わかりやすい解説

知念城
ちねんじょう

沖縄県南城(なんじょう)市知念にある城跡で、一般には知念杜(もり)グスクの名で知られる。美しい城壁と拱門(きょうもん)(アーチ型の門)がよく保存されており、沖縄を代表する石造建築の一つに数えられている。しかし、「城」の字がつくとはいっても城塞(じょうさい)ではなく、城内の東側にある岩山(これが本来のグスク)を御神体とする祭祀(さいし)場である。とくに聖地久高(くだか)島への遙拝(ようはい)所として重要な宗教施設。琉球(りゅうきゅう)王国時代には最高の神女職聞得大君(きこえおおきみ)の就任に伴う儀礼「御新下(おあらお)り」の際の巡拝コースの一つに数えられていた。国指定史跡。

[高良倉吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android