出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
神奈川県小田原市の中心市街地の南西にある山。旧称は笠懸山(かさがけやま)。標高241メートル。箱根火山の外輪山の一部にあたり、小田原市街をはじめ相模(さがみ)湾や箱根火山の展望によい。1495年(明応4)北条早雲(そううん)が小田原大森氏を奇襲したときには、牛の角(つの)に松明(たいまつ)を結び付けて(火牛(かぎゅう)の計)この山へ攻め登らせたという。頂上の巨石を積み上げてつくられた城郭の石垣山城跡(国指定史跡)は、1590年(天正18)豊臣秀吉(とよとみひでよし)の小田原攻めのおりの戦闘指令所のあった所で、秀吉は3月末に箱根湯本の早雲寺に入ったが、4月4日には石垣山に築城を開始し、まもなくここへ移って本営とした。城が完成したのは6月26日といわれるが、秀吉が城の完成後に樹木を切り払わせたので、小田原城中の北条勢は一夜にして城ができたと驚き、「一夜の城」とよぶようになったという。江戸時代には小田原城防衛の第一の要害として登山が禁止されていた。現在は城跡を除く全山はほとんどミカン園になっている。JR東海道本線早川駅から徒歩1時間。
[浅香幸雄]
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